2008年 初めての開腹手術



 我が家に来て13年以上という、長い年月の間、病気らしい病気にかかったことのなかったサイ。
軽い皮膚炎をおこしたり、小さなできものを切除してもらったことはありましたが、これだけ高齢に
なってから、まさか手術をするとは、私も、そしてサイも予想していませんでした。


 ことの発端は「下痢・嘔吐」でした。好きなおやつも食べず、元気もなく、、、、「これは、普通では
ない。」と、直感したのです。

お腹をさすってやったら、ゴロンとしてこんな格好のまま
力なく、、、、この時ばかりは、私の心臓がバクバクしま
した。でもこのあとはちゃんと起き上がり、車に乗せて
病院に向かいました。

 初めてエリザベスを付け、(この時は、わけがわからず、私が付けようとしても、
さほど抵抗しませんでした。)抱っこされて診察台に上がったサイ。お腹に聴診器
をあててもらい、「腸炎」と言われました。

 翌日もあまり具合がよくならなかったので、もう一度病院へ。そして、初めての
レントゲン検査をしてもらったのです。その上、初めての点滴!(筋肉ですが)


レントゲン写真の中で、「卵巣に黒
いものが見えるのが少し気になりま
すが・・・。」と先生がおっしゃってい
ましたが、今はとりあえず様子を見
ることに・・・。


それにしても、すごく不安気で、訴え
るような表情をしています。

 その後、下痢も嘔吐もおさまったのですが、ジャーキーを食べさせるのを先生に
止められ、「ジャーキーのおじいちゃん」にも、それを伝えました。

長いこと、家でサイを抱っこしなかったですが、
「病院で抱っこしてもらったのなら・・・。」と、主
人が思い切って。。。初めは少し怒ったけれど
結構リラックスしているような・・・?

 何日か経って、また具合が少し悪くなったサイ。。。もう少し踏み込んで診て頂くことになり、
エコー検査をしてもらうことにしました。そして、卵巣に嚢腫が見つかり、触診でも、乳腺に腫
瘍があると言われたのです。下痢や嘔吐の原因が、それだとは言い切れないけれど、その
ためにバランスを崩す子が多いそうです。即手術が必要なわけではないけれども、した方が
いいのでは・・・という先生のアドバイスでした。

この日、病院へ行ったのですが、
あまりの患者(患犬・患猫etc.)の
多さに、前の川原でしばらく待って
いたのです。普段散歩している川
原よりもずっと広く、天気も良くて
快適だったのですが、このあと、
まさか病院へ連れて行かれるとは
サイは思ってもいませんでした。

 この日は、狂犬病の予防接種もしてもらったのですが、やはり手術をした方が
いいと言われ、連休明けにお願いすることになりました。


 そして連休が明けてから、先生のご都合をお聞きして、結局5月28日にして
頂くことになりました。前日の夕食は食べさせましたが、9時以降は絶食、当日
の朝8時以降は、水もやってはいけないと言われ、サイに説明のしようがないし
ただ「我慢しいや〜。」と語りかけるだけでした。

 病院大嫌いのサイなので、早くから連れて行って預かってもらっても、手術の
時間まで、とても精神的にもたないと思われ、午前の診察時間が終わる間際に
連れて来るように言われていたので、12時少し前に連れて行きました。すぐに
エリザベスを付けられ、手術前の検査をしてもらい、私は後ろ髪を思い切りひか
れる思いで、診察室を出ました。手術の同意書を書きながら、中をのぞきこむ
と、抱っこされ、不安そうな表情のサイが・・・。溢れる涙を必死でこらえながら、
「よろしくお願いします!」と言って、病院をあとにしました。

 夕方になり、電話で様子を聞くと、無事手術は終了し、サイは声をあげて泣い
ている様子。。。見に行きたいのはやまやまでしたが、連れて帰りたくなるし、
サイも余計に興奮するといけないので、ここは心を鬼にし、家でじっと我慢する
ことに・・・。サイのいない、寂しい夜を過ごしました。

 翌日また病院に電話すると、もうほとんど泣かなくなり、落ち着いているとのこ
と! 夜になって、仕事から帰って来た主人の車に乗り、サイを迎えに行きまし
た。摘出された子宮と卵巣、そして乳腺の部分を見て、すぐに言葉が出てきま
せんでしたが、この高齢のサイの手術を無事していただいたこと、ただただ感
謝の気持ちいっぱいでした。そしてサイはというと・・・・私の姿を見て喜ぶという
よりも、早くこの場から逃げ出したいという気持ちが先にあったようで、先生の
ご説明が終わって出ようとすると、手術後1日しか経ってないとは思えないほど
軽やかに病院から飛び出しました。


家に帰り、まず前の公園でちゃんとおしっこ
と、う○ちをしたサイ。思い切り褒めてやり
ました。それにしてもこのエリザベスはすご
く邪魔。。。玄関の戸や床に、カタカタ音を
させながら当たってしまいます。


 1週間後に抜糸をしてもらうまで、このエリザベスを外すことはできません。
散歩は、もっぱら前の公園を1週ほどするのみ。その間も、エリザベスを地面
や木などにぶっつけてはビックリしていたサイ。雨が降る日は非常に困りま
した。顔を地面に近づけて歩き、まるでスコップですくうようにするので、エリザ
ベスを汚してしまいます。でも、梅雨というのに、この1週間の間、一日中雨が
降り続いた日がほとんどなかったので、助かりました。

こうして歩いていると、何人かの人に、「それ、何
を付けているんですか?」と聞かれました。


 手術痕がどんな風になっているか見ようとしても、まだ恐怖心が
残っているのか、お腹をなかなか見せてくれません。座っている
ところを、下から覗きこんで。。。

こういうのが苦手な方、ごめんなさい。
シミだらけのお腹を見せて、サイに怒
られそう。。。

 2階の居間に上がらせようとしても、階段にエリザベスが当たり、机などの家具にも
ぶつかりそうだったので、朝から晩まで、ずっと玄関で過ごさせました。ガレージに出
すと、自転車に引っかかる恐れもあるし。。。餌を食べる時も、床に当たって食べづら
そうだったので、エリザベスの内側に餌入れを持ってやったりしました。「いつまで、
この邪魔なもん、付けたままなんやワン。」って絶対思ってそうだったけれど、「サイ
ちゃん、あともう少しの辛抱やでぇ〜。」と、頭を撫でて、励ますのが精一杯でした。

こんな風にして眠ってる姿を見るたびに、
不憫で仕方なかったです。


エリザベスを取ってもらう前日、少しの距離だけ
いつもの散歩道の川原を歩きました。


 エリザベスという、すごく邪魔なものを首に巻きつけられ、サイは本当によく
我慢したと思います。やっと、抜糸をしてもらう日が来ました。案の定、病院に
入るのをすごく嫌がりましたが、何とか抱っこしてもらい診察台に。先生を含
め、3人がかりでサイの体を押さえつけてもらい、無事抜糸終了!そして、晴
れてエリザベスともお別れです。取ってもらう時でさえ、ガウガウ怒っていた
サイ。。。きっと先生は、困らせるわんこの「ワースト5」に、サイを入れられた
やろなぁ。

犬にも表情というものがあるのだと、この時ほど強く
感じたことは今までありませんでした。そして、こんな
安堵感溢れた表情のサイを見たこともありませんで
した。一生忘れられません!

 上の写真は、病院からの帰りの車中での写真ですが、家に帰っても、
かなりほっとした様子でした。ただ、、、今まで掻けなかった耳を思い切
り掻き掻きして、血が出てしまいました。

久しぶりに、エリザベス無しの姿で
川原を散歩。もっと堂々と歩けば
いいのに、安心はしているものの、
なんとなく情けない顔をしています。
それと、毛が抜けきっていて、術後
の痩せ方も加わり、かなり貧相な
サイです。


こうして舐めている姿を見ると、
手術をしたことを、いつまでサイ
自身覚えているんやろ・・・?
なんてことを考えてしまいます。

 散歩中、いつもよく会うわんこの飼い主さんだけでなく、偶然サイの手術のことを
耳にされた散歩中の方までも、「もう大丈夫? よく頑張ったねぇ。」と声をかけて
下さいました。日記にもたくさんの方がコメントをして下さって、本当にありがたかっ
たです。

検査の結果を聞きに病院へ。。。
サイは「二度とここに来るつもりはなかっ
たワン!」と、喋れてたら絶対言ってい
たのに違いありません。それほど、病院
に入るのを拒否しました。あまりにも引っ
張りすぎて、後ろ足が引き攣ったような
感じになり、一瞬倒れこんだ時は焦りま
した。

 どうしてもこうしても、エリザベスを付けるのを体全体で拒否したサイ。。。
先生も諦めてしまわれ、リードを引っ張って仰向けにうまく寝転んだところを
うまく診て下さって「手術痕は特に心配はありません。」とおっしゃいました。
腫瘍の検査の結果も、特に問題なし!よかったね〜、サイちゃん!

 ところがそれから10日少し経った日、なんとなくお腹を見てみたら、少し
膨らみが。。。すぐに電話して、診て頂くことに。。。

 またもや、エリザベス拒否なサイを、リードを壁のフックに縛ってうまくサイ
を固定させ(笑)素早く診られた先生。内部を縫ってある糸が水で解けた反
応で、心配ないとのこと。。。ふぅ〜〜、よかった! でも、、、サイは二度と
エリザベスを付けて診察台に上がることができないんやろか・・・?私は、
これから先のことを考えると、すごく心配になりました。

サイにしてみたら、病院は二度と行きたくない場所
なのでしょうね。


 このあとも、定期的に診せた方が良いと言われているものの、病院に入る時の、
あの拒否の仕方を想像すると、余程変わったことがない限り、連れて行く気になら
ないでしょう。せめて飼い主の私達にだけでも、素直に抱っこさせてくれなければ、
これから先、さらに老犬になったサイの介護に、とんでもなく苦労することになるの
では・・・?と、私達は頭を悩ませております。サイ、、、可愛いおばあちゃんになっ
てやぁ〜〜。
 それにしても、人間なら70歳をとっくに超えた年齢で、こんな手術を無事してもら
えて、しかも回復が早く、元気に過ごしていること、本当に心から感謝しています。








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