2010年 ありがとう サイちゃん




 大した積雪はなかったものの、雪の舞う年末を痩せ細った体で過ごしたサイ。
そして、無事に新年を迎えることができました。この1年も、冬から春、夏、秋、、
と、季節の変化を感じながら過ごしてほしいと願っていたのですが、、、





時雨れたりすることも多いこの時期。短い川原の散歩をするタイミングが
すごく難しかったです。カートから降りると、ちゃんとおしっことう○ちをして
くれました。すれ違う人には、よく声をかけられ、中には、ご自分の愛犬が
つい最近亡くなったことを思い出し、涙ぐむ方もおられました。
「大事にしてもろて、幸せやねぇ。頑張ってねぇ。」
って元気づけられ、サイも私も、なんとかこの寒さを乗り越えたいと願って
いました。





年末から帰省していた次男に、思い切り
可愛がってもらっていたサイ。時間があれ
ば、こうして抱っこしてもらっていました。


  私のお気に入りの、次男とのツーショットです。


こうして寒い中、外へ連れて行くのが
酷だったのか、、、と、サイが眠って
から後悔したものでした。ずっと家に
いるよりも、日の当たるところを少し
でも歩いた方が、ちょっとでも食欲が
出てくるかもしれないと思って、カート
を玄関に出してセットしていた私を、
サイはどんな気持ちで見ていたので
しょう?「おかっしゃん。きょうはワタシ
しんどいし、ずっと家にいたいワン。」
って思う日もあったのかなぁ・・・?
ごめんね。サイちゃん。おかあさんの
勝手な判断で、ほとんど毎日連れ出
して・・・。



家では、サークルの中の居心地が良いのか、ずっとこうして寝ていることが
多かったです。外出先から帰って来ると、真っ先にサークルをのぞき、「サイ
ちゃん、ただいま!」と声をかける日々でした。「もしも」のことなんて考えたく
なかったので、息をしているとホッと安心する自分が嫌でした。


左下の写真は、次男が家にいる間、よく自分のベッド
の中で寝かせていた時の写真です。きっと嬉しかった
のに違いありません。




食欲旺盛とは言えなかったので、里芋やササミを食べてくれると、こっちがすごく
嬉しくなりました。食欲に関係なく、便は必ず1日1、2回排出してくれました。また
粗相をしたのは、多分2、3回。手のかからないおばあちゃんでした。




少しでも暖かい休日には、翔くんに
声をかけて、サイの足取りに合わせ
てもらってデートしました。翔くんから
若さと元気をもらおうと思って。。。



このジャンパー、前の年に着せていた時には小さくてピチピチだった
のに、中にもう1枚着せて上から着せても、このとおりブカブカでした。





11月末のアクシデントの時に、抜いて
いただいた心嚢水が、1月15日に病院
へ行った時に、また溜まっていると言わ
れました。でも、サイが暴れるので、針
を差して抜くにはリスクが高すぎて、しば
らく様子を見ることになりました。「人間
で言えば、絶対安静の状態ですよ。」と
言われました。



そして翌日の16日の晩、またもやヒヤッ
とすることが。。。玄関から土間に飛び
降りた瞬間、体が固まり、口を開け、お
しっこを漏らし、、、、
抱っこして体をさすり、「サイちゃん!」と
叫んでいると、しばらくしたら落ち着きま
した。駄目もとで病院に電話したけれど、
やはりつながらなかったです。

翌日は日曜日なので、月曜日に病院へ
連れて行くつもりをしていました。



今から思えば、15日に「絶対安静」と言われ、16日の晩にあんなことが
あったのに、サイの最期が近づいていることなんて、これっぽっちも私
は思っていなかったことに気づきました。いくら思いたくなくても、そういう
ことは冷静に受け止め、17日は一日中、ずっとずっとサイを抱っこしてい
ればよかったと、まだ後悔している私です。





この17日に、姉がサイの様子を見に来てくれました。抱っこしてくれたり、
身体をさすったりしてくれていたのですが、ヨタヨタと立ち上がった時、サイ
が尻尾を、ゆっくりと振ったのです。姉はびっくりしていましたが、あとで考
えると、あの時、「ワタシの様子を見に来てくれてありがとワン。」と言って
いるつもりだったのかもしれません。その日の数日前からも、何回かゆっく
りと振ることがありました。それまでめったに振ることがなかったのに。。。
サイは、最後に、一生懸命私達に、感謝の気持ちを表そうとしていたのに
違いありません。その様子を動画に撮ろうとしていたのですが、、、、(涙)





決して「きょうが最後」なんてことを思わなかったけれど、自然と、
私と主人は、サイを抱っこして写真を撮りました。サイはこの時、何
て思ってたんでしょう?








この頃は、夜中に何度かサイが泣き出し、撫で撫でしてやって、ササミスティック
などを口元に持っていってやるとそれを食べ、また眠る、、、という風にしながら、
朝を迎えるという毎日でした。そして17日が終わり、18日に日付が変わって間も
なくまず1回起きました。その時は、スティックを食べてそのまま眠りました。
そのあとしばらくして、いつもと違うサイの声で目が覚めました。敷いているシーツ
を銜え、苦しんでいるのです。すぐに抱き上げ、「サイちゃん!サイちゃん!」と叫
ぶと、脱糞し、手足を大きく伸ばし、しばらくしてそのまま、眠るように、、、、

1時50分でした。あっという間でした。その瞬間、「夢なら覚めて!」と、ひたすら願
いました。でも、その状態はちっとも変わりません。「夢ではないなら、時間を戻し
たい!」と、できるわけがないことも必死で願いました。でも、私の腕の中で、主人
も見守る中、安心したように永遠の眠りについたサイは、それっきり動いてはくれ
ませんでした。


しばらく私も主人も泣き続け、
「お前の横に置いてやれ。」と
主人が言うとおり、私の布団
に入れてやりました。夜が明
けるまで、ずっとずっと、サイの
顔を眺め、話しかけ、涙を流し
て過ごしました。

この写真、夢中で撮ったようで
すが、あまりよく覚えていませ
ん。



段々と辺りが明るくなると共に、サイが死んでしまったことを、一生懸命
受け入れようとしましたが、それはすごく困難なことでした。



目が開いてしまうので、本当に生きているようです。この時亡くなっ
たなんて、全く実感がなかったので、今までと同じように、普通に、
「サ〜イちゃん♪」って話しかけていました。


                                                          

人間だと、遠くにいる娘が母の
亡くなった知らせを受けると、す
ぐに戻ってくるものなので、リリ
ィーちゃんをサイのそばに連れ
て来て、対面させました。今まで
のように、歯をむき出して怒らな
いサイを、リリィーちゃんはどう
思っていたのでしょう?




次から次と送られてくるお花に囲まれたサイ。なんて美しいんでしょう!
そんなサイに寄り添い、できればずっとこうしていたかった。。。




行きたくないけれど、、、翌日サイを葬儀場へ連れて行きました。


葬儀場で、お経が流れます。
このあと、荼毘に付されまし
た。。。



葬儀場から帰宅し、もちろんサイのいないサークル。
もっと使いたかった。。。でもサイはあれ以上苦しみ
たくなかったかもしれない。。。そんな気持ちが交錯
する状態は、ずっとずっと、今も続いています。

                 
                 


ペットを飼う者なら誰でも必ず迎える最期の時。でもこの2010年が明けた時に、まさ
かそれがこの年にやって来るなんて、少しも思いませんでした。いや、思いたくありま
せんでした。前の年に「年単位は望めない。」と先生に言われても、予想に反して何年
も長く生き続けるわんこの話を聞いたことがあるので、サイもそのように、まだまだ生き
続けてほしいと、心底祈っていました。その反面、どんどん痩せていき、動きが鈍くなる
サイを見るのがつらかったのは事実です。

我が家に1994年にやって来たサイは、留守がちな家の中で、幼い時からひとりぼっち
で過ごすことが多く、3ヶ月後に引っ越してからも、主にガレージで孤独な番犬をしてい
ました。夜になっても、2階の居間にいる私達と一緒にいるのではなく、玄関で過ごしま
した。クールで、飼い主に執着しなかったのは、こんな過ごし方をさせていたからかもし
れません。抱っこなど、束縛されることを極力嫌う子でした。そんなサイが、最後には素
直に抱っこさせてくれて、私達に身体を委ねてくれたことが、たまらなく愛しく思え、また
申し訳ない気持ちになってしまうのです。その上、逝く時期、タイミングを、本当によく考
えてくれました。 私の腕の中で眠ったことが、「憧れの別れ」だと友達に言われたけれ
ど、確かにそのとおりです。ただただサイに感謝です。


サイちゃん、本当にありがとう。あなたは今も、ずっとずっと私達の中に生き続けている
と信じています。毎日「サイちゃん!」って呼んでばかりいる私のところへ慌てて帰って
来させてごめんね。忙しい時は、わざわざ帰って来なくても、天国から見つめてくれてい
いからね。


サイが眠った1月の末日、預かってもらっていたリリィーちゃんを、里帰りさせました。飼
い主さんが病院から戻れなくなり、ひとりぼっちになってしまったリリィーちゃん。サイが
我が家からいなくなったのと入れ違いに、戻ってきたわけです。忘れ形見を残しておい
てくれたサイにまたまた感謝!サイちゃん、リリィーちゃんがあんたみたいに長生きでき
るように、見守っていてね。




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